
川端康成さんの「雪国」を味わってみた。
たまたま米沢や越後あたりに興味があって、訪れる前にどうせなら・・・と思って読んだ本。
あまりにも有名な冒頭のシーンではじまるこの作品は、しっとりとした世界。
後半にでてくる若い女性が織物を羽織って何人も現れる「晒し屋」というのは
なんとなくだけど遊女屋さんなんだろうと思った。
トンネルは聖俗の境目なんて書くと、折口信夫さんとかのパクリみたいになっちゃうけども、
雪国へのトンネルはやはり異界への扉。
登場人物はほぼ3人しかいなくて、しかも舞台もたいして動きがない。
だけど暗いとか絶望というのとは違って、しんしんとしたエロさが。
雪を見てみたいと思った。
火に照らされた雪の灯りを見たいと思った。

そしてあたしはまた闇の中へ・・・。
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写真: 信濃・白骨温泉にて